所長インタビュー

津島 久孝

京都城南診療所 所長 津島 久孝

2017年より所長を務める津島です。

拝任からの3年間で組織としての力を見直す取り組みと
新築移転の準備を進めていき、2020年4月から
恵まれた環境で新たなスタートを切ることができました。

検査・外来機能の充実とスタッフのチームワークによって
今後はより多くの健診受診者さんを受け入れ、
さまざまな病気の早期発見と生活習慣病やガンの
的確な治療への橋渡しをしていきたいと考えています。
また、伏見地域のみなさまが安心して暮らせる
お手伝いをすることも、私たちの使命だと考えています。

これからの医療は、患者さんと医療スタッフ双方の
リテラシー(理解力や判断力)の向上が重要です。
もし病気になったとしても、その病気とうまく共存して
元気で長く生きていくために、
チャレンジの精神で一緒に進んでいきましょう。

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名前
津島 久孝(つしま ひさたか)
PROFILE
香川県生まれ、京都大学医学部卒業。
京都民医連中央病院副院長や上京病院院長を歴任。
呼吸器内科が専門で、アレルギーや禁煙外来、内科・呼吸器など幅広く診療。
京都建設じん肺・アスベスト被害者と家族を守る会運動に関わるなど、
患者さんの立場に立った医師として諸活動に参加。
これまでの主なキャリア
社会医療法人同仁会耳原病院呼吸器内科部長
公益社団法人京都保健会上京病院院長
公益社団法人京都保健会京都民医連中央病院副院長
資格・所属学会など
プライマリケア連合学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本呼吸器学会専門医
日本医師会認定産業医
診療所(もしくは部門)のアウトラインを教えてください。
京都城南診療所は京都労働基準局(現京都労働局)長の許可を得て1973年(S48)7月11日に設立された財団法人です。
高度経済成長期の労働や交通で被災した労働者を救済することを目的に発足しました。
発足10年後の1983年に自転車振興会(現在の公益財団法人JKA)の補助金で検診車を購入し、
本格的に健診事業を開始しました。
1996年に京都民医連に加盟し、その指導や援助をうけることで、
2001年~2004年の経営困難や職員の不団結などをなんとか乗り越えてきました。
2006年には、組織運営・管理の強化をめざしISOを認証取得しました。
また、2008年の特定健診制度の導入にともない、健診システムの質の向上および健康増進部の立ち上げをおこない、 健診、外来、健康増進の3部門で事業の充実を図ってきました。
この特定健診・特定保健指導制度は、国と企業が健診事業を後押しする制度であり、
経営好転の後押しとなりました。
そして2010年に事業活動を共同・連携しておこなってきた財団法人京都府交通・労働等災害救済事業団を合併吸収し、2013年に一般財団法人に移行しました。
その後は政管健保(現在の協会けんぽ)などの保険者の動向に注視しつつ、健診の質と量の向上を重点にし、 マンモグラフィーの導入や画像の二重読影実施などを行ってきました。
2016年1月には「組織の理念と基本方針」を確定し、2017年2月、HPHに加盟しています。
その結果、大きくなった今後の事業所運営を考え2020年4月1日に現地に新築移転できました。
外来には糖尿病、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科の専門医外来をそなえ、
健診の精査と継続治療ができる体制をとっています。
がんの制圧をめざして新築移転時にはCT装置を導入しました。
また健診結果で異常値や治療必要な点がみつかれば早急に医療機関を紹介することや事業所内を含む保健指導体制づくり、 そして健診結果を事業所で活かせるような積極的な産業医活動を実施しています。
また事業所を応援する伏見健康友の会は会員が1000名を越え、地域住民と多彩な活動をおこなっています。
ですから、友の会の存在は、京都城南診療所がこの京都伏見の地で発展できる大きな基礎力となっています。
地域活動がまだまだ小さい当院での信頼できる相棒です。
京都城南診療所は、今後も健診を主たる診療所であるだけでなく、
友の会と一緒に地域にねざす医療機関になれるよう努力したいと思っています。
京都城南診療所の理念と基本方針
どんな医療サービスを提供していますか?
健診(所内および巡回)事業および一般外来診療。
  1. 健診事業は例年7万人以上の企業検診が中心
    特定健診だけでなく腰痛・頸肩腕や有機溶剤・じん肺および個人タクシー健診もおこなう。健診で判明した異常の早急な精査加療やその後の保健指導にも力をいれている。
  2. 一般外来診療は健診で判明した二次健診や生活習慣病の継続治療も多いので就業年齢の方が多く、地域のプライマリケア診療所より若年傾向にある。生活習慣病治療を重視している。なお今のところ訪問診療は実施していない。
診療所での役割を教えてください。
外来診療を中心としているが、健診での胸部レントゲンダブルチェックに参加している。所内健診も一単位行っている。
法人理事および診療所管理委員会責任者として診療所の最終決済に関わっている。
診療所の強みはどこにありますか?
  1. 重装備診療所で検査機能および外来機能が充実している
    毎日の胃カメラや月2回の大腸ファイバー、心臓エコーや頸部エコー、X線CT装置などの検査体制、糖尿や循環器、呼吸器などの専門外来を持っている。
  2. 各部門が連携した事業展開でチーム医療が基本である。
    健診から保健指導や外来へという流れをもっている。HPH活動に取り組んでいる。民主的集団医療をすすめるチームであること、職員全員で総括し計画を確認する場をもっていること。全員参加型経営方針をもっている。
  3. 無料低額診療制度がある。
    外来患者と健診受診者を対象に、生活困難者の受療権を守る為に無低診制度を活かしている。
  4. 元気な伏見健康友の会がある。
    全ての活動のよきパートナーである伏見健康友の会が元気である。送迎ボランティアの活動や医療懇談会などを行っている。毎年100名規模での入会があり、現在1000人以上の住民が参加している。
  5. 特別な健診へ対応できる力がある
    個人タクシー、頸肩腕・腰痛健診など
いま、特に力を入れていることは?
新築移転を契機に、より多くの健診受診者さんをうけいれること。
健診先の産業医活動を強めること。
職員の技術的人間的成長をはかること。
これから力を入れていくこと(もしくは展望)は?
第三者認定をうけ、健診の質と量を増加させることで、職域労働者の疾病の早期発見と生活習慣病やガンの治療への橋渡しをすること。
医療人としてのモットーは?
特に医療人としてはない。
人として、常に相手の立場に立って考える事が大切だと思っている。
日々心がけていることはどんなことですか?
気分や感情に流されず、根拠のある事実に基づき判断を下し方針をだす。
地域への想いとは?
日本歴史の草創期から発展してきた伏見、その伏見で地域の皆様が安心して暮らしていけるお手伝いをできることがうれしい。訪問診療ができないなど微力な現状だが、より強力な診療所活動および地域活動をおこなう力をつけていきたい。
患者さまへメッセージをお願いします。
病気とうまく共存し、元気で長く生きていくための専門的なお手伝いをしたいと思っています。皆様の意思や希望を大切にして、チャレンジの精神でご一緒に前進しましょう。

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